日本のウイスキーおすすめ7選
価格やスコアを断定的に書くのではなく、蒸溜所の歴史や製法など、出典の確認できる事実だけをもとに紹介します。参考にしたウイスキー系メディア・蒸溜所公式サイトのURLは各項目に記載しています。
編集部イチ押しの 山崎12年 へジャンプ、または下記で詳しい比較をご覧ください。
おすすめ一覧
第1位:日本ウイスキーの基準点を押さえたい人に
第3位:グリーン・ハーバルな個性を試したい人に
第4位:ピーティで重厚な味わいを求める人に
第6位:標高の高い蒸溜所のクラフト感を楽しみたい人に
第7位:コレクター人気の高い希少銘柄を試したい人に
山崎12年
山崎蒸溜所は1923年、サントリー創業者・鳥井信治郎によって京都と大阪の境、天王山のふもとに開かれた、日本で最初のモルトウイスキー専用蒸溜所とされています。ニッカの創業者である竹鶴政孝も、独立して余市蒸溜所を構える前の11年間、この山崎でウイスキー造りに携わっていたと伝えられており、山崎は「日本のウイスキーづくりの出発点」という位置づけで語られることが多い場所です。
山崎12年はその看板商品で、アメリカンオーク樽、スパニッシュオーク樽(シェリー樽)、そして日本固有のミズナラ樽で熟成された原酒をヴァッティングして造られていると紹介されています。海外のウイスキーメディアでは、繊細な果実味と上品なバランス、ミズナラ樽由来の香り立ちが特徴の受賞歴あるシングルモルトと評価されることが多く、「日本ウイスキーの基準点」として語られる銘柄とされています。
他の銘柄との対比で見えてくる立ち位置も興味深いところです。同じサントリーの白州が「グリーンでクリスプ」な森と高地の個性を持つのに対し、山崎はミズナラ香と果実味という、対照的な個性で語られることが多いようです。響ジャパニーズハーモニーは山崎・白州・知多の原酒をブレンドしたウイスキーであり、山崎モルトはその構成要素の一つとされています。ニッカの余市がピーティで重厚な個性を持つのとも対極にあるスタイルで、「同じ日本のシングルモルトでも造り手の哲学によってここまで違う」ことを体感できる組み合わせです。
一方で、正直なトレードオフとして押さえておくべきは価格の変化です。価格比較サイトのデータによれば、2013年頃には1本45ドル前後だった山崎12年は、2022年には150〜300ドル、2026年時点でも137〜240ドル(平均184ドル)程度で取引されていると報じられており、10年余りで実勢価格が3倍以上に上昇したことになります。サントリーは2026年4月出荷分からヤマザキを含む一部銘柄の値上げを発表したとも伝えられています。かつて「手頃な入門用シングルモルト」として語られていた山崎12年は、現在では響ジャパニーズハーモニーやノンエイジのディスティラーズリザーブにそのポジションを譲りつつあり、むしろ「プレミアム寄りの定番品」として捉え直す必要がありそうです。
総合すると、山崎12年は依然として日本ウイスキーを理解するうえで欠かせない基準点ですが、「安い入門酒」という過去のイメージだけで選ぶと価格面で驚くことになります。歴史的な背景とミズナラ樽由来の個性を踏まえたうえで、「基準点を押さえるための投資」として選ぶのが、現在の市場環境に即した向き合い方だと言えるでしょう。(参照価格は米ドル建ての海外相場データであり、日本国内の実勢価格とは異なる可能性があります。)
- 日本初の蒸溜所という歴史的な出自を持つ銘柄とされる
- ミズナラ樽由来の香りが特徴と紹介されることが多い
- 受賞歴があり国際的な知名度が高いと評価される
- 2013年比で海外相場が大きく上昇していると報じられている
- 2026年4月出荷分からさらなる値上げが発表されたとされる
響 ジャパニーズハーモニー
響ジャパニーズハーモニーは、山崎・白州・知多という3つのサントリー系蒸溜所の原酒をブレンドしたノンエイジのブレンデッドウイスキーとされています。10種類以上の原酒が5種類の異なる樽(アメリカンオーク、シェリー樽、ミズナラ樽など)で個別に熟成された後にブレンドされていると紹介されており、バラやライチを思わせる香り、蜂蜜のような甘みとオレンジピールの風味、仕上げにミズナラ香とされる柔らかな余韻が特徴とされています。評価サイトTastings.comでは100点満点中94点を獲得したとも報じられています。響ブランドの中では比較的入手しやすく、響のブレンド哲学を体験できる「入り口」的な位置づけの定番品と紹介されることが多い銘柄です。24面カットのボトルは日本の伝統的な二十四節気を表現しているとされています。(参照価格90〜130ドルは米国市場での参考値です。)
- 3蒸溜所のブレンドという設計思想が明確と紹介される
- 響ブランドの中では比較的入手しやすい定番品とされる
- 国際的な評価スコアが公開されている
- 上位グレード(17年・21年等)に比べると複雑さは抑えめと評されることがある
白州12年
白州蒸溜所は1973年、南アルプス・甲斐駒ヶ岳の麓、標高700メートルの森の中に開かれたとされています。公式サイトでは「グリーンでクリスプ」なウイスキーと紹介されており、軽くピートを効かせたモルト原酒による、みずみずしく爽やかで青葉を思わせる燻香が特徴とされています。雪解け水と冷涼な山の空気、多様な形状のポットスチルが、他の日本産シングルモルトにはないハーブ調で穏やかにスモーキーな個性を生んでいると評価されることが多いようです。なお白州12年は、需要急増による原酒不足を理由に2018年に販売休止となり、約2〜3年の休止期間を経て2021年3月末に再発売されたと海外メディアで報じられています。この経緯自体が、2010年代後半の日本ウイスキーブームを象徴する出来事として語られることが多く、白州12年を語る上で欠かせない事実とされています。
- 標高700メートルの高地蒸溜所という立地が個性の源泉とされる
- グリーン・ハーバルでライトスモーキーな独自の系統と評価される
- 2018〜2021年に販売休止となった経緯があり、供給が不安定だった時期がある
余市シングルモルト
余市蒸溜所は1934年、ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝によって北海道・余市町に建てられたとされています。竹鶴はスコットランド留学時代の恩師の蒸溜所と同じ石炭直火蒸溜方式を採用し、この方式は炉底温度が1000度を超えるため独特の焦げた香りを生む一方、火力調整に熟練の技術を要し、現在では世界的にも珍しい蒸溜方法とされています。現行のノンエイジ「余市シングルモルト」は、原酒不足を理由に年数表記ボトルが順次終売となる中、2016年に定番品として発売されたとされています。新樽やシェリー樽など複数の樽で熟成した原酒をヴァッティングし、ピーティでスモーキーながら果実味も感じさせるバランスを目指したとされ、アルコール度数は45%です。海外小売データでは現行ノンエイジ版の実勢価格は90〜96ドル前後と報じられています。
- 石炭直火蒸溜という希少な製法を用いる蒸溜所とされる
- ピーティでスモーキーな重厚な個性が明確と評価される
- 年数表記モデルは終売・入手困難とされている
ニッカ フロム・ザ・バレル
フロム・ザ・バレルは、余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所、両方の原酒を用いたブレンデッドウイスキーとされ、100以上のバッチのモルト・グレーン原酒をヴァッティングした後、再び樽で休ませてから瓶詰めするという製法が特徴と紹介されています。アルコール度数は51.4%で、カスクストレングスに近い濃度で瓶詰めされるブレンデッドウイスキーとしては珍しい存在とされています。米国の専門誌Whisky Advocateの2018年「今年のウイスキー」1位(94点)に選出されたと報じられているほか、World Whisky Awardsで2007年・2010年に「ベスト・ジャパニーズ・ブレンデッド(ヴァッテッド)ウイスキー」を受賞したと伝えられています。日本のウイスキーの中では比較的入手しやすい部類とされ、価格は米国公式サイトで750mlあたり74.99ドル、小売店では65〜75ドル程度と報じられています(いずれも米国市場の参考価格)。
- カスクストレングス級の51.4%という濃厚な味わいが特徴とされる
- 複数の国際的な賞の受賞歴が報じられている
- 他の高級ラインに比べ比較的入手しやすいとされる
- 高いアルコール度数のため飲み方に慣れが必要とされることがある
マルス駒ヶ岳
マルス駒ヶ岳蒸溜所(旧称マルス信州蒸溜所)は、鹿児島の焼酎メーカー本坊酒造が運営する蒸溜所で、長野県の中央アルプス・木曽駒ヶ岳のふもと、標高798メートルに位置しているとされ、現在稼働中の日本の蒸溜所としては最も標高が高いと紹介されています。1985年に開業したものの、1992年から2011年まで長期休止していた経緯があるとされています。高地の冷涼な気候による緩やかな熟成と、中央アルプスの花崗岩層でろ過された軟水が個性の源泉と紹介されることが多いようです。看板商品「駒ヶ岳リミテッドエディション」は毎年リリースされる限定シリーズで、2023年には東京ウイスキー&スピリッツコンペティションでゴールド、2022年にはサンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションでゴールドを受賞したと報じられています。流通量は少なく「クラフト系プレミアム」の位置づけとして語られることが多い銘柄です。
- 日本国内最高所(標高798m)の稼働蒸溜所という立地とされる
- 国際的な品評会でのゴールド受賞歴が複数報じられている
- 生産量・流通量が少なく入手が難しいとされる
- 1992〜2011年の休止期間があり熟成原酒のストックが限られているとされる
イチローズモルト 秩父
イチローズモルトは、2004年に肥土伊知郎氏が設立したベンチャーウイスキーのブランドとされています。実家が営んでいた羽生蒸溜所が廃業した際、貯蔵されていた原酒を買い取って世に出したのが始まりで、2005年には廃止された羽生蒸溜所の原酒をトランプのカードデザインでボトリングする「カードシリーズ」を展開したと紹介されています。その後2008年、埼玉県秩父市に自社の秩父蒸溜所を新設し、これは日本国内で35年ぶりの新規蒸溜免許取得だったと報じられています。自社原酒による最初のシングルモルト「秩父ザ・ファースト」は2011年にリリースされ、2012年には米国Whisky Advocate誌の「第18回年次アワード」でジャパニーズ・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーに選出されたと伝えられています。小規模生産で毎回の限定リリースが世界中のコレクターから求められている「カルト的」銘柄と紹介されることが多く、二次流通市場(オークション)では銘柄によって67ドルから2,500ドル超まで幅広く取引されていると報じられています。
- 廃業した羽生蒸溜所の原酒を救済したという希少な由来を持つとされる
- 日本国内35年ぶりの新規蒸溜免許取得という蒸溜所とされる
- 国際的な賞の受賞歴があり、コレクター人気が高いと報じられている
- 生産量が非常に少なく、定番の入手しやすいボトルがほとんどないとされる
- 二次流通価格が高騰しており定価での入手が難しいと報じられている